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第一章 世のはじまり

序:終わりとはじまり
第二紀アリューザ・ガルドの終焉については『悠久たる時を往く』§ 終焉の時、来たりて に詳記

 “第二紀アリューザ・ガルド”と呼ばれた世界は終焉を迎えた。
 人の世は終わり——
 人に取って代わるはずの神々も、(いにしえ)の神々の襲来によって命運尽き——
 “秩序”は崩壊し、“混沌”との均衡が崩れ、“混沌(それ)”が世界を覆い尽くした。
 かくして万象はひとつのものとなり——
 やがて“超存在”ミルド・ルアンへと回帰した。

◆◆◆◆

 さらに、時間の概念が消え去った“時のいや果て”において、“(じつ)”たるミルド・ルアンは“(きょ)”と合する。
 世界は無へと(かえ)ったのだ。

 無への帰結は、“実”と“虚”の分裂——世界の開闢(かいびゃく)へと連なる可能性をも持つ。
 それは億分の一、兆分の一、否——
 那由他(なゆた)にすら連なる極々小の確率でしかない。


◆◆◆◆


 しかして奇跡は、全てを(くつがえ)して起きたのだ。

 無窮(むきゅう)を超越して、ここに第三紀が到来する。
 物語は、はじまる。


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